第2回フレッシュマンセミナー

第2回フレッシュマンセミナー実施報告 

 2019(R1)年11月14∼15日に東京農業大学世田谷キャンパス(世田谷区桜丘)において,第2回フレッシュマンセミナーを開催致しました.このセミナーは2017(H29)年10 月に設置されたフレッシュマンセミナー検討委員会において実施内容が検討され,昨年の第1回に引き続き,今回第2回の開催に至りました.

 当委員会は,本セミナーを『食に関わる基礎∼応用に渡る研究の成果を,食品関連産業を通じて,人々の健康と福祉に役立てる』を目的とする本学会の『価値向上と発展につながる事業』と位置付け,次世代を担う若手研究者(学生∼入社2∼5 年程度)の研究・技術力向上と産官学の横断的な技術交流促進の場として設けました.好評をいただいた初回と同様に,食品産業技術を支える基本的な研究分野として食品化学,食品工学,食品バイオの3分野と,施行から4年を経た機能性表示食品制度の最近の話題をトピックスとした講義を設けるとともに,本学会会員企業の研究施設視察を実施致しました.

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セミナー時間割
2019年11月14日(木)
12:15∼13:00 受付,開講(12:55∼13:00挨拶)
13:00∼14:30 講義Ⅰ 食品化学分野:仲原丈晴先生(キッコーマン株式会社)
14:30∼16:00 講義Ⅱ 食品工学分野:松宮健太郎先生(京都大学大学院)
16:00∼16:15 休憩
16:15∼17:45 講義Ⅲ 食品バイオ分野:廣瀬文之先生(味の素株式会社)
17:45∼18:15 懇親会場へ移動
18:15∼20:15 懇親会(立食形式)


2019年11月15日(金)
9:30∼11:00 トピックス講演:山本(前田)万里先生(農研機構)
11:00∼11:30 集合写真撮影後,講師との懇談
11:30∼13:30 昼食会場へ移動,昼食(11:45∼)後貸し切りバスで視察先移動
13:30∼15:30 キユーピー株式会社仙川キユーポート研究施設を視察
15:30∼16:00 アンケート記入・回収,受講修了証授与,閉講

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講師と講義タイトル
食品化学  仲原丈晴先生(キッコーマン株式会社研究開発本部チームリーダー) 
     「醤油をさらに愛される調味料にするために」
食品工学  松宮健太郎先生(京都大学大学院農学研究科助教) 
     「食品の乳化とその評価技術」
食品バイオ 廣瀬文之先生(味の素株式会社食品研究所技術開発センター加工食品ソリューショングループ)
     「加工食品での酵素の利用例」
トピックス 山本(前田)万里先生(農研機構食品研究部門ヘルスケア創出研究統括監)
     「機能性表示食品制度とその活用」

fresh2.jpgフレッシュマンセミナー参加者全員(講師先生,受講生および委員)による集合記念写真

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 実際の講義ではいずれにおいても質疑や討論が所定の時間では収まりきらず,講師の先生への質問や受講生同士あるいはセミナー検討委員を交えた議論に,休憩時間や懇親会を有効に活用している様子がうかがわれました.2 日目に設定した研究施設視察では,キューピー株式会社様のご厚意により,2014年に竣工したキユーピーグループの研究開発拠点とオフィス複合施設である「仙川キユーポート」を訪問し,研究開発や分析検査施設とともに社内コミュニケーション施設を見学させて頂きました.

 効率的に配置された研究開発・分析検査施設や設備,様々形態の打ち合わせや会議が可能なフリースペース,フリーアドレス化によりラボやオフィスで思い思いのスタイルで実務に当たる社員の皆様の姿を目の当たりにできたことは受講生の貴重な経験になると期待しています.キユーピー株式会社関係各位には深くお礼申し上げます.見学後,次回セミナー立案に重要な感想や意見・要望をアンケートとして作成いただき,受講修了証を授与して,無事終了いたしました.

 受講者数は初回を上回る22名,一般企業の若手が18名,公的研究機関から2名,学生2 名という内訳で,北海道から沖縄県まで広範囲に渡る若手食品研究者が集いました.大半が当学会の非会員で情報源も「上司や同僚等」でしたが,本セミナーへの満足度は総じて高く,今後当学会との距離は縮まるものと期待しています.
 
 大半の受講者が,参加動機として講義内容と研究施設視察ならびに参加者間交流を挙げており,初回受講者の勧めとの声もありました.中には募集(講義)内容を見て積極的なアピールを行って限られた出張枠をもぎ取った強者も参加されていました.講義内容の感想でも,分野外と回答した受講者も含め知識の習得に役立ったとの回答が殆どを占めており,受講者の積極性が窺われると同時に,分かり易い講義を準備された講師の方々に改めて感謝申し上げる次第です.受講者22名のうち21名が「次回も参加しい」,1名が「検討したい」と回答しており,大半の参加動機である受講や視察,交流について有意義だったとの感想が多く寄せられたことから,受講者と主催者双方の目的も概ね達せられたものと感じております.

 末筆ながら,本セミナー開催趣旨にご賛同下さり,ご支援・ご協力下さった全ての方々に,心よりお礼申し上げます.

 

フレッシュマンセミナー検討委員会委員長   芹澤 篤
雪印メグミルク株式会社執行役員ミルクサイエンス研究所長

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