新刊紹介
NEW 2022.5.11
食と健康 -食を知り食を生かそう- |
缶詰技術研究会編 小堀 真珠子監修 |
2015年に機能性表示食品制度が新たに開始された.この制度により,生鮮農畜水産物やその加工食品も健康の維持・増進に役立つ機能性を,消費者庁に科学的根拠を届け出て事業者の責任において表示できるようになった.現在加工食品で2,300件以上,生鮮食品で130件以上消費者庁のデータベースに収載され,機能性表示食品は身近なものとなり,最近の食と健康ブームに拍車をかけている. 第1回 健康によい食事とは 上記ように,食と健康を考えるにあたって, 基本のバランスよい食生活,コホート研究が示す食品の健康機能,栄養・機能性成分の役割,各種農産物等の機能性,食と健康・おいしさに関わる感覚機能と関連技術,食と健康の科学的証拠の現状を紹介する解説記事で構成されている. 感覚機能の果たす役割を含め,「健康に良い食」「健康長寿に役立つ食」とは何か,そしてその科学的根拠とはどのようなものかの理解を深め,健康に役立つ食生活を実践する上で大変参考となる良書である. (S. K.) |
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A4版,171頁,2022年5月9日発行 |
2021.12.21
SDGsで始まる新しい食のイノベーション | 山崎康夫:著 |
世界的に「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成が重要な課題として注目されている. SDGsの達成にあたっては, 事業者等は,「その活動に関して制約を受ける」,「無理をしなくてはならない」,「何かを犠牲にしなくてはならない」といった具合に受け取りがちかと考える. しかし, 本書においては, SDGsへの取り組みが, ①企業イメージの向上, ②社会課題への対応, ③新たな事業機会の創出につながるメリットととらえた上で, そのメリットを活用してSDGsを達成していくためには, 食品関連産業にかかわる事業者として, 何をどのような手順で行っていけばよいかを, 実際の事例を交えて分かりやすく解説している. 本書は, 7章で構成されており, 「第1章 SDGsって何?」では, SDGsが生まれた背景やSDGsを活用して企業が変化していく可能性を示している. 「第2章 SDGsの目標と食品企業ができることは?」では, SDGsの17の目標ごとに, 食品産業における適用方法を事例とともに示している. 「第3章 SDGsはどうやって進めるの?」では, SDGsを取り入れる手順を, SDG Compassを参考として解説している. 「第4章 やはり食品ロス削減は大切!」では, 食品関連産業における最大の課題である食品ロス削減に関して, 様々な方策を紹介している. 「第5章 食品産業にCO2削減って関係ある?」では, CO2削減を目指して, 食品産業が取り組むべき指針を示している. 「第6章 SDGsで食のイノベーションを始めよう」では, SDGsに向けて食品関連産業におけるイノベーションを起こすことを提言するとともに, 最近活性化が目覚ましいフードテックに関しても紹介している. 「第7章 私たち, SDGsを始めてます」では, 農業分野, 食品工場関連, 6次産業化関連などでの取り組みの事例を紹介している. 食品関連産業に従事する方々にとって, SDGsのメリットを幅広く理解し, 活用していく上での入門書としての良書である. (H.N.) |
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A5版,並製,142頁,2021年11月20日刊行 ISBN978-4-7821-0460-6 定価2,640円(本体2,400円+税) 株式会社 幸書房(〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-7) |
2021.11.15
ナチュラル ミステイク ー食品安全の誤解を解くー | ジェイムス T. マクリガー著 林 真,森田 健 監訳 ILSI Japan 食品リスク研究部会 訳 |
(S.K.) |
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B5 版,217 頁,2021 年 4 月 30 日発 |
2021.10.15
米の科学 | 高野克己,谷口亜樹子 編 |
本書は日本で親しまれているさまざまな食品素材,また加工食品について多角的に解説し,読者に総合的な知見を提供することを目指し企画された〈食物と健康の科学シリーズ〉の 15 冊目である.本書は次の 12 章で構成されている. (U.M.) |
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A5 判,198 頁,2021 年 9 月 1 日発行 ISBN 978-4-254-43555-9 C3361 定価 本体 3,600 円+税 発行所 株式会社朝倉書店 (〒162-8707 東京都新宿区新小川町 6-29) |
2021.9.15
食品のコクとは何か ─おいしさを引き出すコクの科学 | 西村敏英・黒田元央 編 |
本書の二人の編者が日本国内で食品のコクに関する研究会を組織し,活発な議論が続けられていることは,食品科学工学にとって重要な貢献になるものと期待される.「コク」という語は日常的に頻繁につかわれているが,定義が明確でなかったため,混乱が生じていた.本書はコクに関する現段階での統一的理解を目指している. (K.N.) |
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A5 版,256 頁,2021 年 7 月 10 日発行 ISBN 978-4-7699-1670-3 定価 4 ,000 円+税 株式会社 恒星社厚生閣 〒160-0008 東京都新宿区四谷三栄町 3-14 |
2021.6.15
園芸利用学 | 山内直樹・今堀義洋 編 |
2015 年の国連サミットで採択された SDGs(持続可能な開発目標)」に示される 17 の目標の中で,食品ロスの削減は,多くの目標に関連がある重要な項目である.とくに野菜や果実などの青果物は,収穫した後も呼吸などの生命活動を続けるために,品質が急速に低下する.また,青果物は,ビタミン A やビタミン C,食物繊維等の重要な給源である.生産された青果物を無駄なく利用するためには,青果物の品質に関わる生理・生化学,分子生物学の知見に加え,流通工学の研究と,それらの応用・普及に向けた取り組みが重要である.さらに,青果物は多様であり,国内流通の安定化や輸出促進のためには,品目ごとの特性を把握することが必須である.これらの研究分野は園芸利用学と呼ばれている. (M.N.) |
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A5 版,単色刷り 312 頁,カラー 4 頁, 2021 年 4 月 10 日発行 ISBN コード:978-4-8300-4142-6 C3061 定価 4,400 円+税 文永堂出版 株式会社 (〒113-0033 東京都文京区本郷 2-27-18) |
2021.6.15
食品事業者のための「次亜塩素酸の基礎と利用技術」 | 福﨑智司 著 |
次亜塩素酸は,1800 年代かの半ばから使用されてきた消毒剤であり,塩素消毒の活性化因子として知られている. (S.K.) |
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B5 版,147 頁,2021 年 4 月 20 日発行 ISBN 978-4-7813-0454-5 C3058定価 3,300 円+税 株式会社 幸書房 (〒101-0051 東京都千代田区神田神保町 2-7) |