第5回フレッシュマンセミナー

 

第5回フレッシュマンセミナー 実施報告

 

フレッシュマンセミナー検討委員会 委員長 小林 敏也
雪印メグミルク株式会社 フェロー

 2023 年 11 月 21~22 日につくば国際会議場で第 5 回フレッシュマンセミナーを開催致しました. 今回は新型コロナウイルス感染症が第 5 類に移行し, また, 学会等の各種行事が対面形式で開催されていることから, 2019 年の第 2 回以来, 4 年ぶりに対面形式で開催し, 交流会と研究施設見学会 (「食と農の博物館」および農研機構・食品研究部門) も実施しました.

 当委員会では, 本セミナーを, 『食に関わる基礎∼応用に渡る研究の成果を, 食品関連産業を通じて, 人々の健康と福祉に役立てる』を目的とする本学会の『価値向上と発展につながる事業』と位置付け, 次世代を担う若手研究者 (学生∼入社 2∼5 年程度) の研究・技術力向上と産官学の横断的な技術交流促進の場として設けました. 過去 4回と同様, 食品産業技術を支える基本的な研究分野として食品化学, 食品工学, 食品バイオの 3 分野と, 最近の話題をトピックスとした講義を実施しました.

 初日の講演では, 食品化学分野は, メイラード反応によって生じる香気成分の嗅覚を介したヒトの生理作用に及ぼす影響, 食品工学分野は, 各種分光法の特徴とその特徴に応じた食品分野における応用, 食品バイオ分野は, 食品企業にとって重要な課題である衛生管理の基本と最近の話題についてお話し頂きました. 2 日目のトッピクスでは, 動物性タンパク質を主力商品として展開する企業にとって脅威になりつつあるプラントベースフードについて, ピンチをチャンスに変える発想で取り組み, プラントベースフード「HOBOTAMA」の開発に至った経緯についてお話し頂きました. 基礎から応用, そして最新の話題, また, 対面形式ということもあって活発な質疑応答が行われました. 初日の交流会では若手研究者が講演の先生方に積極的に質問する姿も見られ, 対面形式, 交流会の良さを改めて感じることができたように思います. 

講義タイトルと講師紹介

分野 講義タイトル 講師氏名 所属

食品化学

食品中の香気成分とその生理作用に関する研究~特にメイラード反応で生成する香気成分の機能性について~

大畑 素子先生

日本大学 生物資源科学部・准教授

食品工学

分光法による食品の非破壊品質評価法

蔦 瑞樹先生

農研機構 食品研究部門
食品流通・安全研究領域分析評価グループ・上級研究員

食品バイオ

食品微生物と自主衛生検査

川﨑 晋先生

農研機構 食品研究部門 食品流通・安全研究領域 食品安全・信頼グループ・上級研究員
筑波大学 グローバル教育院・教授
(協働大学院) )
トピックス HOBOTAMA の開発背景と食の未来への挑戦

磯部 和宏先生

キユーピー株式会社 研究開発本部
技術ソリューション研究所


セミナータイムスケジュール

2023 年11 月21 日 (火)
12:30~13:00 受付
13:00~13:05 開講 (挨拶)
13:05~14:35 講義Ⅰ:食品化学分野 (質疑応答も含む)
14:35~14:40 休憩
14:40~16:10 講義Ⅱ:食品工学分野 (質疑応答も含む)
16:10~16:15 休憩
16:15~17:45 講義Ⅲ:食品バイオ分野 (質疑応答も含む)
17:45~18:15 集合記念写真撮影・交流会会場へ移動
18:15~20:00 交流会
2023 年11 月22 日 (水)
9:30~11:00 トピックス講演 (質疑応答も含む)
11:00~11:15 総合討論
11:15~13:30 昼食および研究施設等見学先への移動
13:30~15:30 研究施設等見学(「食と農の科学館」(農研機構)と農研機構食品研究部門)
15:30~15:40 閉講 (事務連絡*・挨拶)

画像1.png

 第5回フレッシュマンセミナー参加者 (講師の先生, 受講生および委員) による集合記念写真

画像2.png
講師の先生の集合写真

 受講者数は19名で, 一般企業の若手が18名, 大学から1名という内訳で, 実施後のアンケートでは, セミナーのプログラム構成について, 9割以上の方から「大変満足」,「満足」との回答を頂き, また, 各講演もほぼ9割以上の方から「非常に参考になった」「参考になった」と回答頂きました. 自由意見でも, 多くの方が「勉強になった」,「興味深く聞くことができた」との声を頂きました. 研究施設見学会についても回答者全員から「非常に参考になった」「参考になった」と回答頂きました. 一方で, 見学時間については「短い」との回答も多く, 自由意見において, 移動手段, また, 2日間の日程につき検討頂きたいとの意見も頂きました. 次回のプログラム作成にあたり, 参考にさせて頂きます. また, オンライン形式の際には学生の参加がありましたが, 今回の対面形式では学生の参加がなかったことについて, 案内方法を含め, 次回の検討課題と思っています.

 末筆ながら, 本セミナー開催趣旨にご賛同下さり, ご支援・ご協力下さった全ての方々に, 心よりお礼申し上げます.

bar_main.gif